平凡な暮 血圧保ってる
新聞の 川柳欄を 先に見る
叱る前 褒めておだてる 手をおぼえ
ゆずられて 心さびしく 席につく
確かめて 置いた場所を また忘れ
内蔵も 草臥れて来た 五十年
野嵐に 地蔵笑顔で 立ったまま
ジーパンの 娘もおがむ 道祖神
笠くれる 人も通らず 六地蔵
上品に 笑う両家の 控え室
花束に 落ちる涙の 披露宴
一見を 済ませてほっと 大あくび
秋の日の 影はスタイル よく写す
お幸せ ばかり集まる クラス会
きどっても すぐに地が出る クラス会
佐渡の旅 手帳片手に 句をつくり
佐渡ヶ島 帽子かぶった 墓もある
手を振って 佐渡のすすきの お見送り
みそ汁も さめてなかなか 来ない人
座敷中 孫のちぎった 紙拾う
主婦の座の ゆとりをしまい 風呂におき
もの忘れ 十日の菊と 期限切れ
われもこう 嫁の手紙の 絵がうれし
花びらを 少し残して 庭を掃く
文化の日 ふとんほかほか 平和なり
何するも 良いお日向の 文化の日
文化の日 誕生祝う 母元気
土付いた 芋は夫の 自慢作
通販で 衣食住の 荷が届く
歯車が うまく廻って 家族無事
孫ひとり 増えて本当に おばあちゃん
孫を見て 帰る秋の日 あたたかい
百キロも 遠く思わぬ 孫の家
四捨五入 なくてもすぐに 傘寿なり
生涯が 日一日と 減ってゆく
土蜘蛛の 袋にもどる 老ひとり